胃潰瘍・十二指腸潰瘍2010/08/05 17:05

ストレスが原因のことが多い病気です。その他、解熱鎮痛剤などの長期服用や香辛料の摂り過ぎ、ピロリ菌などにも気をつけましょう。漢方薬ではストレスに抵抗できるように心身ともに丈夫にしていく作用も期待できます。また、ストレスからくる不眠や疲労感など体の不調も一緒に改善していきます。

漢方薬との付き合い方2009/08/24 12:20

西洋薬では優れた治療法がないという疾患の治療、体を丈夫にしたり体質改善をする場合、いろいろな疾患を併発している場合、原因不明の疾患、などにおいては、良い品質の煎じ薬を服用すべきであると思います。第一の理由は早く効果を出すためです。効果の低い薬(効いているのかどうかはっきりしない薬)を長期にわたり服用することをあなたは望んでいるでしょうか?保険の効く生薬と比較してもやはり品質は大きく違います。

胃腸疾患例1:
胃腸をこわしたといって市販の胃腸薬を飲んだがあまり効かない。そこで煎じ薬を試したところ1日でほとんどの不快症状は改善し、翌日にはすべて回復した。

併発している例2:
膝や腰が痛い、血圧も降圧剤を飲んで上が180位、目もかすむ、夜間にトイレに4〜5回は行く、という80代女性。煎じ薬を服用し始めて3週間ぐらいからトイレに起きる回数が2回に減り、疲労感が取れてきた。服用後1か月で足の冷えが改善し、2か月半には血圧が150ぐらいに下がった。現在も服用中。

高血圧疾患例3:
2年ほど前から急に血圧が上がり降圧剤を服用中の70代男性。2種類の降圧剤を服用して上が150で安定した。降圧剤と併用して漢方薬を食間に服用。たまに忘れて2回の服用になってしまうこともある。1か月半で血圧が130台になり、2ヶ月目には110台に下がった。現在も継続服用中。いずれは降圧剤が少なくなってくると思われる。

腰痛例4:
仕事中に椅子から立ち上がろうとした時ぎくっと痛みが走り、その後歩けず、その日から漢方薬服用。翌日はベットから起き上がるときは人の介助を必要としていたが、だんだんと痛みは減り、2日目は起き上がるときはまだ痛みが少しあるが、他はほぼ回復。日ごとに回復した。

鬱病例5:
年度末で多忙であった時に親族を亡くし、その後からうつうつとしてきた男性。ご家族が抗うつ薬以外での治療を望み、漢方薬を服用。その間、気分転換にご家族が連れ出したり煎じ薬を飲ませたりする。ほぼ毎日規則的に3回服用した。仕事もセーブしながら休養し、だんだんと幻覚幻聴・いらいらなどが減り約3か月目にはほとんど回復してきた。

このように疾患によってはすぐに効くものも多くあります。特に今は風邪やインフルエンザに備えて個人個人にあった漢方薬を備えておき、かかったかなと思ったときにすぐに服用を開始すれば進行せずに治ってしまうこともあります。

癌の治療と漢方薬2009/08/06 15:10

細胞が分裂して1つから2つさらにそれぞれが倍になり4つへと、私たちの体は毎日細胞分裂を繰り返しています。分裂する前にはDNAの複製を行い、全く同じ情報をコピーする作業が行われています。癌化は、その複製から分裂までの過程のどこかにミスが生じて、そのまま細胞死に至らずに増殖能を持ったまま複製分裂していくことにより起こります。DNAのコピーに間違いが起こると大変ですから、これを間違いなく行なうためのシステムを私たちの体は備えています。間違いをチェックする機能、修復するまで合成をストップする機能、間違いを修正する機能などが働き、間違いを防いでDNAのコピーを正常に行っているのです。しかしながら、それらの間違い防止機能がうまく作動せず、間違ったDNA情報のままコピーを始め、そのまま細胞分裂時の間違い監視システムをすり抜けて、時として異常な細胞(癌細胞)が増殖を始めてしまう場合があります。このような癌細胞は正常細胞と比較すると増殖スピードが速いものが多いので、早めの治療が望まれます。

抗がん剤による治療としてDNA合成阻害剤や細胞分裂阻害剤などが古くから使われていますが、癌細胞だけではなく、細胞分裂・増殖が活発に行われている口腔粘膜・消化器粘膜・毛根・骨髄等も、どうしても抗がん剤の影響を受けやすくなります。正常細胞には影響を与えずに癌細胞だけ増殖を抑えるような抗がん剤が理想であるとして、抗がん剤の開発に各社製薬企業・ベンチャー企業などが研究開発を活発に行なっています。私も最近までそういった抗がん剤開発研究に従事していました。現在では分子標的型抗がん剤といってなるべく標的分子だけをターゲットにした治療薬の開発が主流になってきています。これはどういうものかというと、酵素阻害剤などで細胞増殖の異常を引き起こすもとになっている酵素をターゲットにして阻害します。標的が限られているために副作用も今までの抗がん剤のように癌細胞だけではなく正常細胞にも同様に作用してしまうということが少なくなってきます。また、これらの分子標的型抗がん剤は遺伝子によって効果のある人と無い人があることも知られているため、遺伝子チェックによりその薬剤の感受性を調べるといったことも行われています。

さて、癌に対する漢方薬の治療としては、抗がん剤による治療や放射線による副作用の軽減や精神面からのバックアップ(病は気からといいますが、癌と宣告された場合にはこのバックアップは必要であると思います)、体力増強、自己免疫能力の改善、癌部位切除後においては体の回復、時には単独での抗ガン作用等を期待して使用することになります。栄養をつけ消化機能を回復させる六君子湯などは消化器癌によく用いられます。癌と診断された時は効果の高い煎じ薬(品質の良いもの)を他の治療と併用することが最善であると思います。いろいろな健康補助食品サプリメントがありますが、ブームが去ると廃れていくものはそれなりのものであり、効果が認められている医薬品である漢方薬とは違います。病気で苦しんでいるときには何でもすがりたくなる気持ちはわかりますが、怪しげなものには少しも効果はありません。

次に癌予防の面からの漢方薬について考えてみましょう。
消化器癌になりやすいのはどういう場合でしょうか?ストレスがかかる状態に長くさらされている場合や、胃腸機能が弱い場合、潰瘍がある場合には、胃酸によって荒れた粘膜の修復を一生懸命行っていますが、そういった状態が頻繁であるほどDNA合成に間違いが起こる確率が高くなると思われます。よって、個人でストレスをためないような生活を心がけることが前提ですが、ストレスに抵抗できる体にする、胃腸の機能を高める、潰瘍ができた場合は早めに治す、もともと胃腸が弱い場合には胃腸を丈夫にしておくなど、漢方薬を用いて予防ができます。また、お通じがすっきりこない場合には、血行を改善する等体質にあった漢方薬で改善しておくことが予防になります。食生活にも気をつけ、塩分を控えた食事にする、刺激の強すぎる食材の取りすぎに注意する、脂肪の多い食品の取りすぎに注意する、ということも予防になります。
肝臓癌の予防としては、アルコールの取りすぎに注意すること(飲み過ぎる機会の多い方にはお薦めの漢方薬があります)、漢方薬で血流の改善をしておくこと、ストレスをためない生活を心がけること等でしょうか。肝炎・肝硬変から癌へと進行することがありますので、このような時は治療に漢方薬を取り入れることで予防効果が高まります。柴胡剤が使用されることが多いです。
腎臓癌の予防としては、常日頃から尿の出具合、体のむくみには気をつけていること、腎炎を併発するような状態(高熱が続くなど)をなるべく避けること、風邪をひかないような体づくりをすること、風邪をひいてもすぐに治すこと。
肺癌の予防としては、タバコを吸わないこと(タバコを吸えば必ず癌になるというわけではありませんが、原因となるものを取り除くことが予防です)、大気汚染、アスベストなどに気をつけること。
いずれの癌の予防にも共通して言えることですが、風邪をひいたらすぐに治し、長引かせないこと。回復力、免疫力をアップしたり、こじらせないためにも漢方薬を初期から取り入れることが望まれます。もし長引いてしまったときは検査をしっかり受けながら漢方薬を取り入れてはどうでしょうか。

ストレス2009/07/10 12:50

日常生活にストレスはつきものです。体がバランスを保っている時にはストレスもすぐに跳ね返すことができます。しかし当人にとって過度のストレスであったり、長期にわたるストレスであったりした場合には、元の状態に戻すことができなくなります。胃腸が弱い人でしたら胃炎や潰瘍になってしまったり、夜になってもなかなか寝つけない、熟睡できない、そして翌日になっても疲労が取れない、食欲も出ないなど、この繰り返しで心身ともに弱り切ってしまいます。さらにそういう状態の時には疲労倦怠感の他、頭痛や動悸がしたり、治療して治したはずの歯が痛むとか、悪くもないところが痛む、という症状も出てくるのです。心身症や鬱状態、自律神経失調症といわれることもあります。漢方薬はそういった症状に対しても高い効果があります。

漢方薬をお薦めする6つの理由2009/06/22 14:50

1. 副作用が少ない:
漢方薬は副作用がほとんどないので安心して服用を続けることができます。肝臓や腎臓など薬の代謝や排泄に関与する臓器をはじめ体への負担がありません。

2. 薬物依存性がない:
精神安定剤や睡眠薬は長期間服用していくとなかなかその薬をやめられず、長年服用し続けないといられなくなってしまいますが、漢方薬ではそういった薬物依存性はありませんので安心して服用できます。

3. 体質改善が基本:
その場だけの一時しのぎではなく体質改善によって病気を治していくので、症状が改善した後で薬をやめたからといってすぐに元に戻ってしまうことはありません。

4. 体全体を整える:
体のあちこちに不具合があっても症状によっては一度に改善できる可能性があります。

5. 内臓を丈夫にする:
漢方薬で内臓を丈夫にすることができます。内臓を丈夫にしただけで、その後の生活において病気にかかるリスクは大きく減少します。特に胃腸は消化吸収をするところですから、これを丈夫にすると食事からの栄養もしっかり取れて、元気がつき抵抗力も高まりますし、煎じ薬の効き方も良くなります。

6. 病を未然に防ぐ:
発熱や痛みがあるなど困った事がない限り、日常生活では自分の体の変化にあまり注意せずに過ごすことも多いものです。しかし、体の少しの変化が後々大きな不調に進んでしまうこともあります。漢方薬を服用することで規則正しい生活習慣が身につくばかりでなく、自分の体に対する観察力をつけることができるので、重大な病気を未然に防ぐことができます。

以上のような理由から病気でお困りの時は漢方薬をお薦めします。(ただし初めての症状で緊急を要する時はすぐに病院を受診してください。)

季節の変わり目の胃腸のトラブル2009/04/21 11:35

悪心、嘔吐、下痢など、普段胃腸の弱い方は季節の変わり目に体調を崩すことが多いものです。消化の良い食事を心がけながら、胃腸のトラブルをすぐに解消しましょう。急性症状なら、ほとんどの場合2〜3日の服用で大丈夫です。携帯に便利でとっさの症状にも使用できる抽出パック包装を開始しました。加工料を含め3パック(1日分)のお値段は700円です。胃腸は元気な生活のもとです。胃腸のトラブルを抱えていると、仕事や勉強や趣味等に十分に取り組むことができません。丈夫にして毎日の生活を楽しみましょう。