目について2012/10/29 21:28

目は心の窓、目は口ほどにものを言うなどといいますが、目は心身の状態をよく反映します。元気がないとか疲れているという状態は傍から見ていてもわかりますし、病気と関連して目に症状があらわれることもあります。

腎機能が悪くなってものもらいが続くことや、お血が原因で目の縁が赤くなったり結膜炎が治らないこともあります。ドライアイや、逆に涙が止まらないという症状は、水の偏在が目に表れているものです(このような時には、目だけでなく口や体全体にも影響がでていることがあります)。

漢方薬で目を良くすることは体全体を良くすることに通じます。

突然死を防ごう2012/05/08 16:30

突然死が増えています。特に心臓が悪いわけではなく健康診断でも異常がないのに、ある日突然にという事も多いようです。原因は心筋梗塞などの心臓病、脳血管障害などがあります。病気と診断されない程度であっても、そこにストレスや動脈硬化などが加わり、血液の流れが悪くなり血栓ができることが大きな原因です。

動脈硬化やストレス等は日常生活で気がつきにくいこともあるので、このようにある日突然にということになってしまうのでしょうか。このような未病(まだ病気で無い状態)を防ぐには漢方薬が一番です。血流を改善しておく事やストレスに負けない心身にする事など、改善をしてみませんか?ご相談ください。

春一番と血圧2012/03/08 21:33

春一番が吹く頃になりました。血圧が変動しやすい時期ですので、血圧が気になる方は注意してください。調子が悪い時は無理せずゆっくりお過ごしください。体内の流れも乱れやすくなります。また花粉など外からの影響も受けやすくなります。調子を崩す前に予防したいものですね。症状が悪化する前に漢方薬で調子を整えましょう。何となく調子が悪いような時にも漢方薬は有効です。

瘀血(おけつ・血液の流れの悪い状態)について2011/08/30 15:30

生理痛・頭痛・肩こり・便秘・静脈瘤・動脈瘤・湿疹・打ち身の跡がなかなか消えないなどという症状は血液の流れが悪くなっている状態(瘀血)を現しています。瘀血の体質の人は、動脈瘤が見えない体の内部にできていることもあり、時によってはそれが破裂してしまう危険性もありますし、癌などの異物ができやすくなりますので、予防として早めにその体質を改善しておくと良いでしょう。このような予防ができるということは漢方薬のメリットです。煎じ薬と丸薬があります。

1. 生理痛(不要物を外に出そうとするがなかなか出ないため痛い)
毎日続けることで体質を改善し、生理痛を治すことができます。痛みがなくなれば、服用しなくても大丈夫です。

2. 静脈瘤など(流れが悪くうっ血している)
一度できてしまったものは時間がかかりますが、継続していますとゆっくり改善していきます。

3. 肩こり、頭痛、便秘など
駆瘀血薬で改善することがあります。

4. 打ち身、事故、内出血
血管外に出た血液を流れを良くして吸収させていき、あざや痛みなどを早く治します。

5. 皮膚炎、蕁麻疹、シミ
急に温まった時などに皮膚が痒くなるような時は瘀血が疑われます。駆瘀血薬で改善します。

6. 冷えや痛みの原因であったりします。

7. 病院で処方される、血液が固まらないようにする(サラサラにする)薬は血小板などの血液凝固作用を抑えるもので、漢方の駆瘀血薬とは全く作用が異なるものです。漢方薬の駆瘀血薬は毛細血管など隅々まで血液を詰まることなく行き渡らせる作用ですので(さらに漢方薬の桂枝には毛細血管がもろくなる等の老化や減少を防ぐといわれているTie2を活性化することがわかってきました)、飲んでいて出血が止まらなくなるということはありません。

8. 下腹部横を押すと圧痛があるという時も瘀血です。

煎じ薬を続けたほうが早く瘀血の改善ができますが、丸薬でも毎日気長に継続していますと効果が見えてきます。継続により血液の流れは確実に良くなっていきますので、体質改善と思って服用すると良いです。

難病、難治、諦めないで2011/07/12 11:55

難病とか難治と言われても諦めないでください。

難病や慢性病は元々ちょっとした体の不調やバランスの崩れから起きてくるのではないかと思います。症状が軽いうちに立て直しておくとすぐに元に戻りますが、慢性化してしまうとそうはいきません。しかし根気よく服薬された方はいつか病を克服する時がやってきます。

私の恩師は過去にいろいろな難病を治してきました。その例や私の見てきた例を一部紹介します。

膠原病
約15年間通院治療し一進一退、漢方薬服薬5年余りで検査値が好転し全治の希望がでてきた。

小児癌(3歳)
手術に耐える体力にしたいと服薬を続けるうち手術の必要がなくなって高校生になった。

胃がん
末期で手術しなければ余命2ヶ月とのこと。家族で相談の結果、手術を中止し、漢方薬服用1年後に体重3kg増加。
胃がんの初期に手術を受け、その後漢方薬を5ヶ月服用、約15年経つが元気である。

子宮癌
細胞診IIIBで手術のタイミングを待つ間服薬を続け、その後手術の必要が無くなるまで好転した(因みに細胞診IIIAで服薬した人は全例健康になった)。

C型肝炎
と診断され3ヶ月服薬後検査値正常となる。

橋本病
と診断され2ヶ月服薬後検査値正常となる。

慢性リウマチ
服薬2年目頃から痛みは軽減し、3年で痛まなくなった。

メニエル氏病
2年あまり臥床することが多かったが2ヶ月の服薬で日常生活ができるほど回復した。

肝性脳症
病院の漢方エキス製剤を服薬し続けるうちに肝硬変となり肝性脳症の症候が出て、余命数日と言われて漢方薬を服用、危地を脱し2年あまり生存された。

高血圧2010/11/26 10:39

寒くなってきました。血圧の高い方はお気をつけください。食生活に気をつけたり睡眠を十分にとり、毎日を元気に過ごしましょう。血圧が高いという状態は動脈硬化などを悪化させていきます。頭痛やふらつき・めまいが起こったりした場合には無関心ではいられませんが、そうでない場合にはつい忘れがちになりやすいものです。しかし、この状態は放っておいてもなかなか改善することは少なく、いずれ血栓ができやすくなったり出血しやすくなったりして命にかかわっていきますので、未然に改善すると良い疾患の一つです。血圧降下剤を長年にわたり服用している方も多いと思いますが、やはり西洋薬の副作用は切り離すことができません。血管をお掃除するような漢方薬を個々に応じて服用していますと、だんだんと血圧が安定していきます。西洋薬を服用しなくても良いくらいになっていく人もいます。

春一番と血圧2010/02/26 10:50

昨日は春一番が吹きました。この時期は血圧に要注意です。普段から血圧が高い人はもちろんですが、そうでない人も特に気をつけてください。血圧が変動しているかもしれないからです。急に最高血圧(収縮期血圧)が200近くになることもあります。

一度ご自分の体調をじっくり観察して、機会をみて血圧を測定してみてください。普段は高血圧のお薬を飲むほどでない方も飲んでいる方も、漢方薬で体の中の掃除をすると脳出血や脳梗塞の予防になり安心です。掃除に最短で2か月かかります。

血圧の変動2010/02/15 08:25

これから春にかけて注意していただきたいのは血圧の変動です。普段の血圧が130から140であっても急に180から200になることがあります。頭痛、ふらふら感、めまい、ともすると脳梗塞を起こします。個々にあった血管のお掃除をするような漢方薬を服用すると、血圧は下がり安定していきます。人によりますが、早くて服用後2ヶ月め位から効いてきます。転ばぬ先の杖というとおり、倒れる前に予防できるのが漢方薬です。

漢方薬との付き合い方2009/08/24 12:20

西洋薬では優れた治療法がないという疾患の治療、体を丈夫にしたり体質改善をする場合、いろいろな疾患を併発している場合、原因不明の疾患、などにおいては、良い品質の煎じ薬を服用すべきであると思います。第一の理由は早く効果を出すためです。効果の低い薬(効いているのかどうかはっきりしない薬)を長期にわたり服用することをあなたは望んでいるでしょうか?保険の効く生薬と比較してもやはり品質は大きく違います。

胃腸疾患例1:
胃腸をこわしたといって市販の胃腸薬を飲んだがあまり効かない。そこで煎じ薬を試したところ1日でほとんどの不快症状は改善し、翌日にはすべて回復した。

併発している例2:
膝や腰が痛い、血圧も降圧剤を飲んで上が180位、目もかすむ、夜間にトイレに4〜5回は行く、という80代女性。煎じ薬を服用し始めて3週間ぐらいからトイレに起きる回数が2回に減り、疲労感が取れてきた。服用後1か月で足の冷えが改善し、2か月半には血圧が150ぐらいに下がった。現在も服用中。

高血圧疾患例3:
2年ほど前から急に血圧が上がり降圧剤を服用中の70代男性。2種類の降圧剤を服用して上が150で安定した。降圧剤と併用して漢方薬を食間に服用。たまに忘れて2回の服用になってしまうこともある。1か月半で血圧が130台になり、2ヶ月目には110台に下がった。現在も継続服用中。いずれは降圧剤が少なくなってくると思われる。

腰痛例4:
仕事中に椅子から立ち上がろうとした時ぎくっと痛みが走り、その後歩けず、その日から漢方薬服用。翌日はベットから起き上がるときは人の介助を必要としていたが、だんだんと痛みは減り、2日目は起き上がるときはまだ痛みが少しあるが、他はほぼ回復。日ごとに回復した。

鬱病例5:
年度末で多忙であった時に親族を亡くし、その後からうつうつとしてきた男性。ご家族が抗うつ薬以外での治療を望み、漢方薬を服用。その間、気分転換にご家族が連れ出したり煎じ薬を飲ませたりする。ほぼ毎日規則的に3回服用した。仕事もセーブしながら休養し、だんだんと幻覚幻聴・いらいらなどが減り約3か月目にはほとんど回復してきた。

このように疾患によってはすぐに効くものも多くあります。特に今は風邪やインフルエンザに備えて個人個人にあった漢方薬を備えておき、かかったかなと思ったときにすぐに服用を開始すれば進行せずに治ってしまうこともあります。

癌の治療と漢方薬2009/08/06 15:10

細胞が分裂して1つから2つさらにそれぞれが倍になり4つへと、私たちの体は毎日細胞分裂を繰り返しています。分裂する前にはDNAの複製を行い、全く同じ情報をコピーする作業が行われています。癌化は、その複製から分裂までの過程のどこかにミスが生じて、そのまま細胞死に至らずに増殖能を持ったまま複製分裂していくことにより起こります。DNAのコピーに間違いが起こると大変ですから、これを間違いなく行なうためのシステムを私たちの体は備えています。間違いをチェックする機能、修復するまで合成をストップする機能、間違いを修正する機能などが働き、間違いを防いでDNAのコピーを正常に行っているのです。しかしながら、それらの間違い防止機能がうまく作動せず、間違ったDNA情報のままコピーを始め、そのまま細胞分裂時の間違い監視システムをすり抜けて、時として異常な細胞(癌細胞)が増殖を始めてしまう場合があります。このような癌細胞は正常細胞と比較すると増殖スピードが速いものが多いので、早めの治療が望まれます。

抗がん剤による治療としてDNA合成阻害剤や細胞分裂阻害剤などが古くから使われていますが、癌細胞だけではなく、細胞分裂・増殖が活発に行われている口腔粘膜・消化器粘膜・毛根・骨髄等も、どうしても抗がん剤の影響を受けやすくなります。正常細胞には影響を与えずに癌細胞だけ増殖を抑えるような抗がん剤が理想であるとして、抗がん剤の開発に各社製薬企業・ベンチャー企業などが研究開発を活発に行なっています。私も最近までそういった抗がん剤開発研究に従事していました。現在では分子標的型抗がん剤といってなるべく標的分子だけをターゲットにした治療薬の開発が主流になってきています。これはどういうものかというと、酵素阻害剤などで細胞増殖の異常を引き起こすもとになっている酵素をターゲットにして阻害します。標的が限られているために副作用も今までの抗がん剤のように癌細胞だけではなく正常細胞にも同様に作用してしまうということが少なくなってきます。また、これらの分子標的型抗がん剤は遺伝子によって効果のある人と無い人があることも知られているため、遺伝子チェックによりその薬剤の感受性を調べるといったことも行われています。

さて、癌に対する漢方薬の治療としては、抗がん剤による治療や放射線による副作用の軽減や精神面からのバックアップ(病は気からといいますが、癌と宣告された場合にはこのバックアップは必要であると思います)、体力増強、自己免疫能力の改善、癌部位切除後においては体の回復、時には単独での抗ガン作用等を期待して使用することになります。栄養をつけ消化機能を回復させる六君子湯などは消化器癌によく用いられます。癌と診断された時は効果の高い煎じ薬(品質の良いもの)を他の治療と併用することが最善であると思います。いろいろな健康補助食品サプリメントがありますが、ブームが去ると廃れていくものはそれなりのものであり、効果が認められている医薬品である漢方薬とは違います。病気で苦しんでいるときには何でもすがりたくなる気持ちはわかりますが、怪しげなものには少しも効果はありません。

次に癌予防の面からの漢方薬について考えてみましょう。
消化器癌になりやすいのはどういう場合でしょうか?ストレスがかかる状態に長くさらされている場合や、胃腸機能が弱い場合、潰瘍がある場合には、胃酸によって荒れた粘膜の修復を一生懸命行っていますが、そういった状態が頻繁であるほどDNA合成に間違いが起こる確率が高くなると思われます。よって、個人でストレスをためないような生活を心がけることが前提ですが、ストレスに抵抗できる体にする、胃腸の機能を高める、潰瘍ができた場合は早めに治す、もともと胃腸が弱い場合には胃腸を丈夫にしておくなど、漢方薬を用いて予防ができます。また、お通じがすっきりこない場合には、血行を改善する等体質にあった漢方薬で改善しておくことが予防になります。食生活にも気をつけ、塩分を控えた食事にする、刺激の強すぎる食材の取りすぎに注意する、脂肪の多い食品の取りすぎに注意する、ということも予防になります。
肝臓癌の予防としては、アルコールの取りすぎに注意すること(飲み過ぎる機会の多い方にはお薦めの漢方薬があります)、漢方薬で血流の改善をしておくこと、ストレスをためない生活を心がけること等でしょうか。肝炎・肝硬変から癌へと進行することがありますので、このような時は治療に漢方薬を取り入れることで予防効果が高まります。柴胡剤が使用されることが多いです。
腎臓癌の予防としては、常日頃から尿の出具合、体のむくみには気をつけていること、腎炎を併発するような状態(高熱が続くなど)をなるべく避けること、風邪をひかないような体づくりをすること、風邪をひいてもすぐに治すこと。
肺癌の予防としては、タバコを吸わないこと(タバコを吸えば必ず癌になるというわけではありませんが、原因となるものを取り除くことが予防です)、大気汚染、アスベストなどに気をつけること。
いずれの癌の予防にも共通して言えることですが、風邪をひいたらすぐに治し、長引かせないこと。回復力、免疫力をアップしたり、こじらせないためにも漢方薬を初期から取り入れることが望まれます。もし長引いてしまったときは検査をしっかり受けながら漢方薬を取り入れてはどうでしょうか。